演奏は勿論☆5つ、でも映像作品としては評価できない
LDで見ているが久しぶりにDVDで見て、この後事故で亡くなってしまう名コンサートマスター、G.ヘッツェル氏のお元気な姿に万感の思いを抱いた。この映像をご覧になる方の殆どはクライバーの指揮ぶりがお目当てであろう。だから、せっかくのこの種の映像としては異例の指揮者を正面から写すカメラの使い方に不満をもたれるであろう。(この点については、私の「ばらの騎士」94年版への拙いレヴューがそのまま当てはまる。よろしければ参照されたい)ただ、クライバーのここでの指揮でアンサンブルがまとまるというのは、ウィーン・フィルの恐ろしいほどの合奏力あってのことだろう。これは数少ない、ヘッツェル氏の姿を捉えた場面での彼の目線からも推測できる。愚見によれば、これは「クライバー」と「ウィーン・フィル」という両者が、殆ど火花を発するほどにやりあった、「壮絶なコンサート」だと考える。 そういう目から見ると、B.ラージの映像演出は「クライバー」はともかく、「ウィーン・フィル」のすごさに対して、あまりにも無神経である。極端なクローズアップと細かすぎるカット割りはラージの非常に悪い癖だと思うが、それが最も悪い結果になっているのがこの作品ではあるまいか。たとえば、ポイントで特定の楽器をアップで映すとき、ラージは楽器と演奏者の手しか映さない。そのたびに私は「演奏者の顔、目線を見せろ!」と心中で怒鳴っている。 私事で恐縮だが、このコンサートが行われた92年ころ、私は「次世代テレビ」についての研究の末端に加わっていた。この拙文を書いている翌日からは「地上デジタルTV」の放送が始まる。それも含め、92年ころには20年、30年先にTVや映像記録媒体がすさまじく進歩するのは心有る技術者なら概要は解かっていた筈。それを見越して、クライバーの映像全部と、オケ全体を高精細画像で記録しておくべきだと思うけど、ラージには無理のようだ。
ニューイヤーコンサート1992DVD
クライバーの指揮振りが実に楽しかった、 最後のラデツキーマーチに至って最高に感激した、 ニューイヤーにふさわしいと思った、 この楽しさはCDでは絶対に味わえない、 音楽には観る楽しみがあることを改めて実感した、 画面がワイドで無いことやサービス映像が無い事は チョット寂しい。
NHKのハイビジョン版よりも良いと思う
NHKが昨年放映したハイビジョン版よりこのユニバーサル版の方が、真正面から写すカメラがクライバーの指揮の力強さをうまく出している。 ハイビジョン版はオーケストラ全体を捉えるワイドさはすばらしいが、曲と曲との間のクライバーの疲れた表情まで、すべての老人班まで容赦なく写しているので、酷だ。クライバーが家に帰りたがっているように見えてしまう。 ユニバーサル版の方がクライバーが音楽を楽しんで表現している様子がよくわかる。見ている方も楽しめると思う。もちろん、音楽自体の完成度は最高だ。
限定的なカメラアングルによりクライバーの魅力半減
非常に残念な内容であった。もちろん演奏自体は素晴らしいが、このDVDを手にすることの意義は、クライバーの美しい指揮姿を堪能することにある。その指揮姿が限定的なカメラアングルにより台無しになっている。大部分がオケの各パートのアップとクライバーのみを正面から写した映像によって構成されており、クライバーとオケを同時に収めた映像が少なすぎる。クライバーを観ることの楽しみは、とりもなおさずクライバーのダイナミックな動きに敏感に反応するオケ、というよりオケの動きにあわせて踊るクライバーを観ることにある。私はこの年のニューイヤーをNHKの放送で見た。そこには、私が求めるクライバーの姿が映し出されていた。放映権等の問題により、全く同様の映像を期待していた訳ではないが、「この曲はこんな風に指揮していたのに・・・」という場面が多く、ラデツキー行進曲の後には'92年の感動とは裏腹に激しいフラストレーションだけが残った。
ユニバーサル ミュージック クラシック
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