ビゴーが見た日本人―諷刺画に描かれた明治 (講談社学術文庫 (1499))



ビゴーが見た日本人―諷刺画に描かれた明治 (講談社学術文庫 (1499))
ビゴーが見た日本人―諷刺画に描かれた明治 (講談社学術文庫 (1499))

商品カテゴリ:アート,建築,デザイン
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日本人の姿

 1981年に中央公論社から出た『絵で書いた日本人論?ジョルジュ・ビゴーの世界』の改題・文庫化。文章は若干の手直しをしたというが、絵の入れ替え等はなし。
 著者はビゴー研究の第一人者として知られる人物。ほかにも多数の著作がある。
 本書は、膨大なビゴーの作品から100点を選び出し、解題・説明を行ったもの。主として当時の日本人の姿を赤裸々に描いたものが取り上げられている。
 一見すると醜く、いやらしく描かれているため、拒否反応を起こす人もいるかも知れない。しかし、その根底には、人間的な温かみ、率直な批判、現実の日本人の姿があらわれており、非常に印象深い本となっている。
 清水氏の解説には、やや疑問の残る部分も。ビゴーに肩入れしすぎているし、歴史的説明もちょっと。また、必要以上に現代の日本の学界や社会の批判を行っているように感じた。
日本人が眼鏡で出っ歯な理由

ビゴーは学校の教科書にも出てくる有名な「ノルマントン号事件」や「猿真似」の絵を描いた画家。本書にはビゴーの描いた100点の絵が収録されています。
教科書に載っているような風刺画だけではなく、明治時代の日本人を描いたものも多く、当時の日本人の風俗を知ることができてとても興味深く読ませてもらいました。
日本人が眼鏡をかけているのは行灯のような暗い明かりの下で作業をしていたから、眼鏡が入ってくるとみんなこぞって眼鏡をかけた、ということや、出っ歯なのは栄養状態が悪かったためである、など日本人のイメージが固まっていく理由となった事柄も説明されていて、非常に面白かったです。
今も昔も日本人

フランス人画家 ジョルジュ・フェルディナン・ビゴー(1860〜1927)の 絵は、たいていの人が一度は見たことがあるのではないでしょうか。「あぁ、あの歴史の教科書に出てくるやつね。」と、思われることでしょう。

 有名な、『漁夫の利』、『猿まね』、等は私も見たことがありましたし、それらをもって、ビゴーは政治風刺画家であったと思っていました。

 しかし、この本でも紹介されているように、ビゴーは政治風刺だけでなく、17年間の日本での生活を通して多くの庶民の生活を描いた作品を残しているのです。それらは温かみを持って描かれたものもあれば、辛辣な諷刺のものもありますが、著者はそれらを当時の日本を伝える非常に貴重な資料であるとして、100点の作品を紹介しています。

 外国人であったからこそ描き得た日本の姿、自分たちでは気付かない「おかしな」日本人!の行動。この本を通して作者が語りたいのは、決して過ぎ去った明治日本の懐古ではなく、現代の日本にも多分にこうした要素が残っているということではないかと思います。世界が「近く」なっている現代において、日本人とは何か、ということを考える重要なきっかけとなる本ではないでしょうか。
日本人は今でもさほど変わっていない

フランス人画家 ジョルジュ・フェルディナン・ビゴーの絵は、たいていの人が一度は見たことがあるのではないでしょうか。
「あぁ、あの歴史の教科書に出てくるやつね。」と。

 有名な、『漁夫の利』、『猿まね』、等は私も見たことがありましたし、
それらをもって、ビゴーは政治風刺画家であったと思っていました。

 しかし、この本でも紹介されているように、ビゴーは政治風刺だけでなく、
17年間の日本での生活を通して多くの庶民の生活を描いた作品を残しているのです。
それらは温かみを持って描かれたものもあれば、辛辣な諷刺のものもありますが、
著者はそれらを当時の日本を伝える非常に貴重な資料であるとして、100点の作品を紹介しています。

 外国人であったからこそ描き得た日!本の姿、自分たちでは気付かない「おかしな」日本人の行動。
この本を通して作者が語りたいのは、決して過ぎ去った明治日本の懐古ではなく、
現代の日本にも多分にこうした要素が残っているということではないかと思います。
世界が「近く」なっている現代において、日本人とは何か、

ということを考える重要なきっかけとなる本ではないでしょうか。
国民性はなかなか変わらない

この本には明治時代に日本が好きで来日してから(浮世絵を通じてだが)日本に17年間滞在し、日本人と結婚し、疎外された居留地ではなく日本人のコミュニティーに住んだ稀有なフランス人による貴重な記録である。写真がほとんど残っていない明治時代の庶民の生活が生き生きと描かれている。これらの絵を見ていると、子供の頃の田舎の生活やその頃の老人の姿や所作が思い出されるし、描かれている人物とそっくりな人たちが今でも身近になんと多いことかが分かる。勿論外国人が興味を持った人物や状況であるから、偏っているという指摘や日本人としての不快感も禁じ得ない場面を多い。しかし日本人が当たり前と思っていることが、他国人から見ておかしいと感じるのは、何も日本に限ったことではなく、外国に住んだ日本人もその国民に対して強く感じることであるから、不思議ではない。それよりも、ビゴーの日本人を見る目には、冷たい批判的な面よりも環境の変化にも負けず逞しく生きている明治の庶民に対する暖かさが感じられるのは私だけであろうか。明治時代の庶民生活の一面を知るには好適な書である。



講談社
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